徳島大学大学院医歯薬学研究部 医学域 医科学部門 生理系 薬理学分野
Department of Pharmacology, Tokushima University Graduate School of of Biomedical Sciences
教授挨拶
徳島大学大学院医歯薬学研究部薬理学分野ホームページをご覧いただきありがとうございます。2020年8月より教室を主宰している池田です。
教授就任後、早くも3年が経過しました。今年度も医学科3年生4名が医学研究実習に加わり、例年以上に教室が賑やかになっています。教室員一同、さらに研究に邁進するモチベーションを高める出来事になりました。少しでも基礎研究の醍醐味を知ってもらえたらと思います。
研究について、昨年度の研究室配属生と行った漢方薬の慢性腎臓病抑制効果の研究の論文(Suenaga and Ikeda, et al. J Pharmacil Sci. 2023)を発表することが出来ました。船本先生は4月より准教授に昇任してもらいました。当教室のみならず次世代の薬理学研究を担うフロントランナーとして、これまで以上に活躍してもらいたいと思います。教室運営、学生教育を含めて薬理学分野になくてはならない貴重な戦力として活躍してくれています。加えて、研究面でも自身のみならず学生に対する指導を積極的にしています。論文について、これまでの研究の小括として心リモデリングのエピジェネティック総説(Front. Cardiovasc Med. 2023)を発表しました。当分野赴任後に開始した各種プロジェクトについて、様々な興味深い知見を明らかにしています。さらなる教室の研究発展に貢献してくれるものと期待しています。また、1月より新潟大学から安田英紀先生が着任しました。安田先生は獣医学部卒であり、当教室のダイバーシティをさらに高め、研究発展に寄与してくれるものと期待しています。また、これまでにお世話になった方々への「御縁」と「尊敬と感謝」を忘れずに精進いたします。
教育について、これまで同様に、生理学分野、精神神経科学分野、血液内分泌代謝内科学分野、薬学部の多くの先生方の多大なるご協力をいただき、基礎・臨床の垣根を超えた水平垂直連携教育に基づく講義を引き続いて行っています。また、今年度は宮崎大学の柳田俊彦先生(当分野客員教授)をお招きして、薬理学ロールプレイ実習の新たな試みを行いました。座学では得られない、医師、患者・家族、第三者の立場から実践的に薬理学を学ぶ機会となりました。来年度は薬学部生も参加した複数学部によるロールプレイ実習を予定しています。薬理学を通じて多職種連携を学べる機会になればと思います。
実習について、細胞生物学、生化学、生理学、薬理学の4分野合同で基礎医学統合実習を行っています。薬理学の実習項目ではwebシミュレーターを導入することで再現性のある能動的実習が可能となりました。このシミュレーターは歯学部・薬学部と合同で使用しており、学部の垣根を超えた新たな教育の形づくることが出来ればと考えています。コロナ禍の収束により、ようやく対面での講義・実習が可能になりました。3年間のコロナ禍で培った新たな教育形態を今後活かしたいと思います。
薬理学は、2年次に学んだ生化学、解剖学、生理学の知識を基にして、病態理解を含めた薬物治療を学びます。「くすり」を使用しない疾患治療は皆無であり、薬理学は基礎医学から臨床医学への橋渡し学問です。医師は処方権を有しており、その責任は重大です。学生諸君には、単に試験をパスするだけではない、将来に向けて生涯学修方法を身につけてほしいと思います。また、医療従事者にとって、「くすり」の知識は必須です。薬理学を通じて医療に貢献できる研究をしたい方は是非連絡してください。
4月から大学院生2名と医学研究実習学生4名が加わる予定です。教室がさらに賑やかになりそうです。
徳島大学は地方大学ですが医療系全ての学部を有した大変恵まれた環境にあり、医学研究者養成に注力している数少ない大学です。研究するにあたっては学歴や年齢は全く関係ありません。与えられた環境で精一杯努力することで道は開けます、少しでも興味ある方は気軽に連絡してください。研究で新しい知見を見つけた時(Eureka)の感動は言葉に表わせません。その感動を是非体験してもらいたいと思います。難しいことは全くありません。本人のやる気次第です。新たな発見を目指して一緒に研究しましょう!
(2023.8.1、2023.9.17、2024.1.1、2024.1.30改訂)